2017年の仕事とかまとめ
2017年もお世話になりました!坪倉です。
あと数時間で今年も終わろうとしていますが、今年は僕にとってフリーランス1年目という特別な年でした。
色々仕事したようで、あまりしていないような感じもするので、今年のまとめとして記事を残しておこうと思います。
1月
フリーランスになってはじめの月。
案件の相談受けたり、技術の研究開発したり、色々と仕込みの段階。
と言いつつニートみたいな生活を満喫。
2月
自分を3Dスキャンして初音ミクさんと夢の共演を果たす
SUPER SCAN STUDIO様にご協力頂いて作成していただいた僕のモデルが色々大活躍しました。3Dスキャン面白い。
3月
Vive Trackerでリアルタイムなプロジェクションマッピング:Track Tank
前職、1→10designさんからの依頼でR&D的に開発したVive Trackerモックアップ。
このタイミングでVive Trackerを色々勉強して、Vive Trackerの記事を書いたりしました。
HTC Viveコントローラーと3Dプロジェクターと3Dメガネで、リアルとバーチャル空間が繋がるやつ
昔からやってみたかったいわゆるJohnny Lee式のヘッドトラッキングと3Dプロジェクションを組み合わせたやつ。
4月
HTC Vive Trackerでクロマキーアセット開発
クロマキー環境を用意してなかったので凄い分かり難い動画になってるけど、現状のSteamVRのクロマキー撮影をWebカメラを付けるだけで可能にするアセットを開発した。
別途ビデオキャプチャやクロマキー合成用のPCが必要なくなるので、すごいシンプルな機器構成でクロマキーMR映像が出せる。
まだちょっとWebカメラをUVCで制御する部分の挙動が怪しいので公開はしていないけど、そのうちAssetStoreで公開したい。
HTC Vive TrackerでPogoPin通信テスト
Vive TrackerのPogoPinのOutputピンはちょっと癖があって、「指定した秒数(ms)だけONにする」という使い方なんだけど、それをうまく使えば
PC→(Bluetooth)→Tracker→(PogoPin)→Arduinoみたいに通信できないかなと思って試してみた動画。
通信速度はあまり期待できないが、正しいコマンドが送れているのが確認できる。
Trackerでラジコン制御したい。
5月
6月
今まであんまり忙しくなかったのに、このあたりで急に忙しくなる。
色んな案件の納品が重なってきて死にかけてた記憶。
Ardbeg インタラクティブサイネージとグラスが動くテーブル
Ardbegというお酒のブランドの新商品発表イベントで、バーカウンターのようなものを作った。
お酒の名前が「ケルピー」という海のモンスターなので、空いたグラスを置くとグラスを持って行ってしまうという設定。
テーブル下にXYのアルミレールを仕込み、電磁石のヘッドを付けてNC制御。コースターにもネオジム磁石が仕込まれていて、グラスにお酒が入った状態でもいい感じに吸着する。コースターは3Dプリンタでベースを作り、表面は自作のレーザーカッターでコルクにロゴを刻印。
操作は自動制御と、プレステ4のコントローラーを使った手動制御が切り替えられるようになっていて、お客さんとの細かい駆け引きもできる。
テーブル上は赤外線カメラを使った動体検知で、体験者の手の動き等にも反応するようになっているので、水面のように波紋が立ったり、魚が反応して逃げたりする。
映像はUnity製アプリで、動態検知とNC制御はopenFrameworks製アプリ。
映像のマッピングしながら、NCレールのヘッド位置のマッピング、そして動体検知のカメラ座標のマッピングと、盛り盛りでかなりヤヤコシイ事をしているので、座標のマッピング慣れしている人じゃないとこれを作るのは中々難しいと思う。
逆に言うと、僕の今までのノウハウの集大成的な感じがある。
もうひとつは、横幅8mの巨大なバーチャルアクアリウムを作った。深海をイメージした深緑のトンマナ。
こちらも海のモンスターとのインタラクティブなやり取りができるサイネージなんだけど、意図的に完全に手動操作にしたのでお客さんとの絡みが楽しい。
KING OF PRISM「目指せスタァ!!体感プリズムショー」@新宿バルト9
噂のキンプリのインタラクティブなサイネージ。キンプリの新しい映画に合わせて新宿バルト9で実施。
Kinectを使って指定のアクションを行うことでキャラクターごとの技が発動して最後に採点される。
色々スケジュールが被りまくってたので実装は前職の同僚のエンジニアにお願いして、設計とテクニカルディレクション周りを担当しました。
空想ジオラマ – Fantasy Diorama
Vive Trackerを使った新作。
子供の頃大好きだった「くるまあそび」をテクノロジーで拡張したかった。
子供の想像力は凄くて、頭のなかではこの車は電車かもしれないし、飛行機かもしれない。
周りには道や街が広がってるかもしれない。
そんな子供の空想の世界を大人や他の人にも共有できたら楽しいんじゃないかというのがこの作品の発想の元。
過去に中国で2会場展示してるんですが、スケジュール被りすぎて自分で設営に行けず、先日の滋賀県佐川美術館で3度目にして初めて自分で自分の作品を設営するという謎現象が起きました・・・。
Cosmic Square
これも新作。
この時期、「新作はよ」と言われまくって焦って1日ちょっとで作ったんだけど、七色小道みたいな「床系」で「レインボー」みたいなお題があったので、自分なりに「宇宙・重力」をテーマにした作品に落とし込んでみた。
ちゃんと体験風景を撮影した動画が無いので製作中のキャプチャなんだけども、床面に大きくプロジェクションして上を子供が走り回ってるイメージ。
新作を作り続けるのはなかなかたいへん。。。
7月
手塚治虫 舞台「ワンダースリー」映像システム構築
https://www.youtube.com/watch?v=bsVW5e-SQcc
軽いノリで「できますよ」って言ったら想像以上に大変だったやつ。
プロジェクションマッピングのシステムを構築するのはいつもの事なんだけど、プロジェクター6台とワイヤレスディスプレイ1台、カメラが3台、PC5台あって、映像卓にある1台のPCからすべての映像を同期して演出を勧めていくシステムを作った。
このシーンではこのプロジェクターはOFFにして、ここは何秒でフェードアウトして何秒でフェードイン、ここはこのカメラを円形に出したい、ここはこっちの動画が上に重なるように2枚同時再生。みたいな。
舞台の仕事は初めてだったんだけど、セリフの無いノンバーバルパフォーマンスの演劇だったのもあり、最初に聞いていた仕様からコロコロ変わり、えーなにそれそんなの聞いてないよー!みたいな。
台本の無い演劇で芝居もコロコロ変わり、役者さんたちも大変そうだったし、舞台の人達は凄いと思った。
来年も追加公演があるので頑張る・・・。
8月
岡山天満屋 冒険水族館 デジタルアクアリウム開発
のびのびできて楽しかったやつ。
岡山県の天満屋という百貨店の屋上にできた水族館のインタラクティブコンテンツ。
いつもの赤外線カメラシステムを使って、くらげと熱帯魚の2種類のコンテンツを設置。
謎解きと連動した演出をいれたりもした。
こういう何も考えずに「すっごーい!たーのしー!!」ってできるコンテンツがすきです。
GODIVA インタラクティブサイネージ@表参道ヒルズ
写真がうまく撮れないけど納品完了。
このまま六本木の会場へ向かうぞー。 pic.twitter.com/IS6C7vuBTs— 坪倉輝明@メディアアーティスト (@kohack_v) September 26, 2017
動画無いけど、お得意の波紋がしょわーってなるやつです。シンプル。
つながりプロジェクト「Picture Happiness on Earth」@日本未来科学館
http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/picture_happiness/
日本科学未来館で行われたサマーワークショップでスーパーバイザー兼、Unity講師として、女子中高生たちと一緒に巨大球体ディスプレイ「ジオ・コスモス」に映し出す映像作品を作りました。
普段絡むことのない女子中高生たちと話せて、進路の相談とかされたりして、色々楽しかったです。あれ、そこじゃない?
9月
SKIPシティ 映像ミュージアム「マジカリアル~AR/VRが作り出す不思議体験」
「不可視美術館」という作品を展示しています。
3月11日まで開催中なので、お近くの方はぜひどうぞー。
10月
六本木アートナイト2017 CALAR.ink「During the Night -よるのあいまに-」
クリエイティブユニット「CALAR.ink」で作った物語参加型のライブペインティングショーの完全新作です!
六本木アートナイト2017で展示したところ、3時間待ちの行列ができるほどの人気コンテンツになってました(汗)
すっごい大掛かりで大作なんですが、ちょっと濃すぎなので近々解説の別記事を書こうと思います!
Tokyo Midtown Design Touch「でじべじ –Digital Vegetables」
[arve url=”https://vimeo.com/238703497″ /]
山梨県までビニールハウスの検証をしに行ったり、会期中台風に見舞われたり、泥だらけになりながら土いじりをしたのは今となっては良い思い出…。
世界的にバズった企画らしい。
デジタルグラフィティウォール@表参道
表参道のとある店舗のオープニングパーティーでVive Trackerを使ったデジタルグラフィティ(スプレーで落書き)ができるフォトブースを開発した。
Vive Trackerを過去最多の10台同時に使った案件になった。
海外とかでよくあるネタだけど、評判が良かったのでパッケージ化するかもしれない。
11月
Kinect葬儀告別式 Kinectポクチンシステム
Kinect葬儀会場ではKinectセンサーとの仲を確認しながら、故人とのお別れをしています。#インタラクティブお葬式 pic.twitter.com/vV2VY6G1Pd
— 坪倉輝明@メディアアーティスト (@kohack_v) November 4, 2017
インタラクティブお葬式の遺産の有効活用…
dotFes 2017 クリエイティブ大喜利 登壇
おなじみとなったdotFesのクリエイティブ大喜利。
去年はMyハチ公がちょっとしたバズになったりしてましたが、今年もご依頼頂いて出てきました。
[slideshare id=82347135&doc=random-171120035810]
[slideshare id=82347310&doc=ai-171120040121]
12月
来年に向けて打ち合わせとか色々と仕込み中。
色々アワードに応募してたやつが受賞したりした。
- 「不可視彫像」Mashup Awards 2017 Interactive Design部門 優勝
- 「Achromatic World -いろのないせかい-」Mashup Awards 2017 Unity賞
- 「不可視彫像」アジアデジタルアートアワード2017 入賞
6月にVRクリエイティブアワード2017の審査員特別賞を受賞したのも合わせると「不可視彫像」での受賞は3つ目になった。
その他の展示とか
2017年は「魔法の美術館」での展示は以下のような感じ。
年々作品数が増えてきて、1会場につき5作品出すことも増えてきた。
2017年12月9日(土)〜2018年2月12日(月)【滋賀】佐川美術館
2017年7月29日(土)〜9月3日(日) 【福島】いわき市立美術館
2017年7月21日(金)〜9月3日(日)【長野】上田市立美術館(サントミューゼ)
2017年7月15日(土)〜9月3日(日)【大阪】大阪文化館・天保山
2017年7月1日(木)〜10月8日(土) 【中国上海】東方明珠
2017年6月16日(金)〜8月27日(日)【中国厦門】厦門中華城
2017年3月24日(金)〜6月4日(日) 【中国淄博市】Mixic
掲載してもらった記事とか
色々あって紹介しきれないですが、インタビューとかレポートとか色々ご紹介頂きました。ありがとうございます。
【体験レポ】何もない空間に現れる彫刻の影の不思議『不可視彫像/Invisible Sculpture』 – Mogura VR
影がつくり出すアートとVRの融合がスゴイ!その意外な仕組みとは – ASCII.jp
「ミクと一緒に踊る夢」を叶えた男――話題の動画『自分を3Dスキャンして遊んでみた』作者に話を聞いてみた – ニコニコニュースオリジナル
KYO-SHITSU #16 感覚のハッキング イベントレポート
来年の目標とか
フリーランスになって時間の使い方を自由に調整できるようになり、いつ寝ていつ起きてるか自分でもよくわからない生活をしていますが、なんやかんやこの生活が自分の性に合っていて楽しく過ごさせていただいています。
2017年の前半で空いた時間でやっていた研究開発が、自分なりに新しい技術を身につけるきっかけになったり、その技術が新しい作品に繋がるのが凄く楽しくて有意義だったと感じてるので、2018年も研究開発を積極的にやって新しい技術を自分の切り札として使えるように勉強していきたいです。
目標は、半年くらいで仕事納めをして、後は自由にモノづくりできる生活です(笑)
最後まで僕の長ったらしい記事を見てくださってありがとうございました。
2018年もどうぞよろしくお願いいたします。 坪倉