【VR元年】20年前に「VRアトラクション」を体験した話【ファイヤーブル】

【VR元年】20年前に「VRアトラクション」を体験した話【ファイヤーブル】
出典:特撮 プロップス 倉庫

こんにちは、クリエイティブテクノロジストの坪倉です。

2016年は「VR元年」と呼ばれ、OculusRiftHTC VivePSVR等のバーチャルリアリティ用ヘッドマウントディスプレイが普及しました。
中でも「VR ZONE」や「VR PARK TOKYO」と言った、いわゆるVRテーマパークが全国各地でオープンしたのは、VRブームを象徴する大きな動きだったと思います。

僕自身もOculus Rfit DK1時代から個人で購入しているようなVR大好きエンジニアで、今でこそ仕事でVRアトラクションを開発する事もありますが、僕がVRアトラクションを初めて体験したのは実に20年前、小学3年生の頃
その時の体験が後の人生に大きく影響を与える事になったのですが、そんな20年前のVRアトラクションの思い出を書こうと思います。

僕の親は家電量販店経営だったので、幼稚園の頃には8インチのフロッピーを”ガッチョン”と入れるようなタイプの昔のPC(PC-98シリーズかな?)やワープロをオモチャとして使ってるような子供でした。(パックマンばっかりしてたけど)

小学校に入ると、WindowsPCでSHARPのEVAアニメータという(今で言うFlash/Animateのような)ソフトを使いこなしてアニメーションや簡単なゲームも作り始めたり、ホームページビルダーを駆使して自分のホームページを作るようになっていました。

↓小学〜中学で作った黒歴史
http://www.nicovideo.jp/watch/sm28067173

こういう環境に恵まれていたのは僕の父親もまた、デジタルとか最新技術が好きだったからだと思います。
そんな中、20年前のVRブームが来るわけですが、ご存知の方も多いと思いますが、今のVRブームは初めての事ではなく20年前にもVRブームと呼ばれていた時期があったんですね。
わかりやすいもので言うと、ちょうど任天堂のバーチャルボーイが1995年発売なのでこのあたりですね。

バーチャルボーイ 出典:Nintendo https://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/hardware/vol1/index2.html

バーチャルボーイ 出典:ニンテンドー

そしてこの時期に、いくつかのテーマパークでVRアトラクションが登場していたんですが、
その1つが1996年に池袋にオープンしたナムコが運営する屋内テーマパーク「ナンジャタウン」の超人気アトラクション【ファイヤーブル】です。

20年前、小学3年生の頃の僕は家族旅行でナンジャタウンに遊びに来ていました。
他のアトラクションもリアルロールプレイングゲームのような、体感型のアトラクションばかりで凄くテンションが上ったのを覚えていますが、中でも衝撃的だったのがその「ファイヤーブル」です。

体験者はパイロットとなって戦闘ヘリに乗り込み、バーチャル空間内で空中戦を繰り広げ、他の隊員との点数を競うというものでしたが、この仕組みが当時としてはかなり凄い物でした。
D.M.S.(ダイナミック・モーション・シュミレーター)と書いてありましたが、今で言うモーションライドで、4人乗りの筐体が大きく揺れるアトラクションです。こんなデカい筐体が8台くらいずらーっと並んでいて壮観だったのを覚えています。

内部の詳細の写真が見つからなかったのですが、この写真を見るとヘリのコックピットの「窓の部分」が緑のシートになっているのがわかるかと思います。
つまり、ビデオシースルー型のHMDを用いてグリーンバックでクロマキー合成して、カメラ映像のコックピットの窓の部分だけをリアルタイムに3DCG(ゲーム画面)に置き換えている。という事です。

firebull_hmd

ビデオシースルー型HMDイメージ(※僕が描いたイメージイラストです)

chromakey

クロマキー合成レイヤーイメージ(※僕が描いたイメージイラストです)

そのため、体験者は自分の手や操縦桿、隣に座っているプレイヤーを視認しながら、窓の外に映されるバーチャル空間の中を本当に飛行しているような感覚でゲームが体験できる訳です。 また、1996年時点のVRとしては驚きなのですが、HMDにはヘッドトラッキングの機能が搭載されていて、頭の向けている方向がそのまま攻撃の照準になります。

隣を向けば隣の座席にいる体験者と、VR空間上で並走している他の戦闘ヘリが同時に見える。
これはMR(Mixed Reality)の状態なので現実とデジタルの境が曖昧になってリアリティがグッと上がるんですよね。

当時のナンジャタウンにはこの機体が8機くらいあったと思いますが、同時に複数の体験者が発進するのもポイントでした。
体験を終えると同時に出動した隊員のランキング表示やMVP画面のリプレイ、ステッカーの授与などがありました。このあたりのインセンティブの設計も素晴らしい。

技術とか科学とか大好きだった小学生の私は、魔法のような未知の体験に興奮してゲーム中も一緒に搭乗していた姉の方を見たり何度もゴーグルを付けたり外したりしていたのを覚えています。
体験後も興奮冷め止まず、外で待っていた両親に必死に説明しようとして「ヘリコプターの外がほんとの外みたいになってて…!」とか色々言ってたんですけど全然伝わってなかったと思いますw
帰りも「なんで?なんで??」と、どういう仕組で動いているかを必死で理解しようとしていました。

この体験が私の人生の中でも一番のVR体験で、今でも強烈に記憶の中に残っています。
そしてこのときの「なんで??」が、今まさにエンターテイメントやバーチャルリアリティといった分野で仕事をしている私の原点であり原動力となっています。

当時全く仕組みの解らなかったファイヤーブルの仕組みを、約20年越しにもう一度解析してこの様に記事を書くとは思いもしませんでした。
また、この記事を読んでわかって頂けると思うんですが、20年前のVRアトラクションは今のVRアトラクションと比べても

全然引けを取らない!

ですよね。
もちろん今のほうがハードウェアの解像度とかゲームのクオリティは上がってるんですが、ユーザー体験としては個人的にはファイヤーブルが今でもナンバーワンです。

ちなみに現在はナンジャタウンのファイヤーブルは撤去され、2004年に姫路セントラルパークへ移設されたようですが、そちらも現在は営業を終了しているようです。 もし稼働していたら私の人生を変えたアトラクションにもう一度会ってみたかったので残念です。

最後に、本当に素晴らしい作品を作って下さったファイアーブルの開発者の方々、本当にありがとうございました。

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