影を掴むインタラクティヴ・アート -Shadow touch!!- を実際に体験しているところの動画を撮影して、
簡単に編集したものが出来たので公開させていただきます。
↓ – Shadow touch!! – 紹介動画
やっとここまで動くようになってくれたか、といった感じです。
ここまで来るのにまず何も知らない所からの出発だったので、技術勉強をいっぱいしました。
さらに何代もの試作を制作し、色んな失敗を経験して今に至ります。
作品はまだまだ改善の余地はありますが、1年間ずっと一人で頑張ってきて自分でも割と面白い物が出来たのではないかと思ってます。
ただ、ここで終わりではなくてこれからももっと完成度を上げて行きたいです。
とりあえずコンテストに向けて最終調整ってとこですかね!
Shadow touch!!作品紹介 ハードウェア編
久々の更新です。更新遅くてごめんなさい(´Д`;)
卒業制作である、影を掴むインタラクティヴ・アート「Shadow touch!!」ですが、この作品を構成するハードウェアについて今日は説明したいと思います。作品の概要はこちら
ハードウェアといっても、映像を投影するためのプロジェクターや設置のためのスチールラックの説明をしてもしょうがないので、今回はその中でも「自作ハードウェアデバイス」のみを紹介します。
ちなみにWiiリモコンの詳細については以前の記事で確認してください。
Shadow touch!!システム構成図
■懐中電灯型デバイス(flashlight device)
このあいだの記事でも出てきたと思いますが、本作品で使用する自作ハードウェアデバイスのメインとなるデバイスです。
懐中電灯型デバイスは以前は乾電池2本による電池式を考えていましたが、少し仕様変更しました。それは、乾電池2本では大量の赤外線LEDを点灯させると電力の消耗が激しく、すぐに電池が切れてしまうと考えたからです。
そこで、電池式とUSB電源を切り替えができるように設計し直しました。図で表すとこんなかんじです。
懐中電灯本体内部にUSBの延長ケーブルを配線して、その先に赤外線LED部分を接続することでUSB電源でLEDを点灯させることができます。赤外線LED部分を電池につないで本体に電池を収納すれば電池での点灯も可能になります。
実際に作ったのがこれです。(クリックで拡大表示)
外観
内部にWiiリモコンとUSB延長ケーブルを配線
赤外線LED部分
USB延長ケーブルに赤外線LED部分を接続
背面のUSBオスコネクタとPCをUSB延長ケーブルで繋ぐ
これで赤外線LEDから出た赤外線が反射する位置をWiiリモコンで取得してPCに送信します。
USB電源の方は完成しましたが電池パックの方はまだできてないんです(^ー^;)キニシナイキニシナイ
■メインライトスイッチ(main light switch)
これ、一見普通の家庭にある電気スイッチに見えますが、実はマウスなんです(笑)
作品内でこのスイッチは、メインライト(環境光)のON/OFFを切り替える役割を持っています。
この作品で描画している光や影は全てプログラム内で処理したグラフィックスなので、メインライトのON/OFFを切り替えるには、PCでスイッチの情報を読み取る必要があります。そこで簡単にON/OFFを読み取る為のデバイスとしてマウスを使用することにしました。
マウスなら左クリックと右クリックの2つのボタンがあり、それぞれが押される事でスイッチのON/OFFを切り替えられると考えたからです。
制作にあたり用意したのが、USBマウスとホームセンターで売っている家庭用スイッチとそのカバー。
これらの持つ機能を組み合わせます。
まずはUSBマウスのカバーを外します。(保障が効かなくなるので真似しないようにw)
そしたら中の基盤を取り出して
マウスの左クリック・右クリックに対応する小型スイッチをはんだごてではんだを溶かして2つとも取り外します。
マウスの方はひとまず置いといて、次はスイッチ側を分解します。
スイッチの裏の緑色したケースを開けると、中に金属部品とかがはいってますけど…
全部取り出します(゜∀゜)
取り出した後は、緑色のケースの内部を削ってマウスから取り出した小型スイッチが中に入るようにします。
そしたらリード線を小型スイッチにはんだ付けし、緑色のケースに内蔵してその状態で小型スイッチとマウスの基盤とをはんだ付けし、ちょうど小型スイッチの位置を延長してスイッチ部に内蔵する形にします。
そしスイッチのカバーを閉じると、スイッチをON/OFFするたびにそれぞれ左クリック・右クリックのボタンが押されてPC内で読み取れる訳です!!
スイッチ背面も加工して、普通のマウスのようにマウスカーソルも動かす事ができるようにしました。
マウスという見慣れた物でも形が変わると案外面白い物ですね!先生や友人達に見せた所、なかなか評判が良かったです^^
…ただ、常に押された状態(ドラッグ状態)なので通常の使用には向いてませんというか使いこなせたら神です(笑)
と、ここまでで2つの自作デバイスを紹介しましたが、かなり長くなってしまいました^^;
他にも3次元計測デバイスや再帰性反射キャップなどの自作デバイスはまだ残ってますが、主となる2つの自作デバイスは紹介できたので、今回はここまでにして次回ハードウェア編2として紹介したいと思います。
ここまで見て下さってありがとうございました(・∀・)
影を掴むインタラクティヴ・アート「Shadow touch!!(仮)」
影を掴むインタラクティヴ・アート「Shadow touch!!(仮)」
ということで、前回の日記から日にちがあいてしまいましたが、予告していたので卒業研究のことについて書こうかと思います。ここで書いておくと卒業論文を書くときに楽になるしね!(`ー´)
卒業研究を進めるにあたり、まず初めに
「感覚をだますメディア」
というコンセプトを立てました。
視覚や聴覚などの感覚をメディア技術を使って騙す事で日常では味わえない不思議な感覚を楽しめるような
空間を制作できれば面白いのではないかと考えたからです。
そしていくつもの失敗を乗り越えて、ひとつのインタラクティヴ・アートにたどり着きました。
それが、
影を掴むインタラクティヴ・アート「Shadow touch!!(仮)」です。
名前はなんのひねりもなくそのまんまですが、影という普通に考えると触る事の出来ない物に触れるという事でインパクトがあるのではないかと思います。
この作品には
■Flashlight mode(懐中電灯モード)
■Shadow touch mode(影掴みモード)
以上の2つのモードが用意されています。
作品を体験する流れとしては、
①影を探す
Flashlight modeで懐中電灯型デバイスを使って、何も無い場所に存在する影を探す。
②影に触れる/掴む/投げる/弾く/組み上げる
Shadow touch modeで影に指で触れたり、掴んだり、影同士をぶつけて遊んだり、沢山の影を使って積み木の様に高く積み上げたりして楽しむ。
③影の状態を確認する。
再びFlashlight modeで懐中電灯型デバイスを使って光を様々な角度から当てると、影の形が確認できる。
角度に合わせて立体的に見えるので複雑に積み上げた形でも認識しやすい。
と、このようにFlashlight modeとShadow touch modeを交互に切り替えながら楽しむ流れになります。
システムの解説ですが、ちょっと複雑なのと解説が下手なので上手く伝えられるか分かりませんが、書いていきます。
■Flashlight mode システム概要
上で懐中電灯型デバイスという言葉が出てきましたが、要するにWiiリモコンです。
・仕組み
懐中電灯の中に配置されている赤外線LEDで赤外線を前方に照射し、再帰性反射板に当たって反射した位置(つまり反射板の位置)を懐中電灯内部のWiiリモコンの赤外線カメラで計測します。
Wiiリモコンはその情報をBluetooth通信でパソコンに送信します。
・中身
懐中電灯の中身を全部出して、代わりにWiiリモコンと赤外線LED群を設置しています。
体験者はプロジェクターで投影されるフィールドの上に立って、地面を懐中電灯型デバイスで照らします。
何もないはずの場所に影が投影され、光を照らす角度によって影が変化する為、体験者は実際にそこに物体があるかのような感覚を覚えるでしょう。
以上Flashlight modeの解説を致しました、この下手糞な解説でご理解頂けたでしょうか???
もう1つのモード「Shadow touch mode」については、書き出すと長くなりそうなので、また次回の記事という事で(´Д`;)
パワーポイントの画像ばっかりでしたが、もう実際に動くものが出来ているので、その写真や動画を撮影したらデモをUPしたいと思います。お楽しみに!!